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【感想】アニメ「キノの旅」第12話「羊たちの草原」(最終話)

いやはや、最後まで風刺の効きまくった話でした……。

※以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。

あらすじ

草原を走っていたキノとエルメスは、木陰で休む羊の大群に遭遇する。
彼らを刺激すまいと、静かに走り去ろうとしたキノだったが、羊の群れはキノたちを見るなり、なぜか突然襲い掛かってきた。

キノたちは懸命に逃げようと試みるも、地割れによる巨大な裂け目に行く手を阻まれてしまう。
キノはやむなくエルメスをその場に残し、ひとり崖を降りて、一時的に難を逃れる。

そして、エルメスを取り戻すための戦いが始まる……!

感想

久しぶりのオープニングが泣かせてくる件

「優しい国」「大人の国」と、共にオープニング/エンディングがカットされていたのですが、今回は両方放送。

「大人の国」の話を知ったうえでこのオープニングを見ると、演出の意味が分かって鳥肌が立ちます。最後の7日間のお菓子とか、赤い花畑とか、先代キノの影が鳥&青空(=自由の象徴)になってるのとか。うわああああ。・゚・(ノД`)・゚・。

あと今更だけど、OPの「果てまで、気の遠く」ってところは、「気の」と「キノ」をかけてるのかな。にくいなあ。

羊たちの草原

――そして、大人の国を飛び出した少女は、羊たちを車で跳ね飛ばし、焼き殺し、撃ち殺すスナイパーになっていました。たくましくなったな……。

最後だから目一杯、と言わんばかりに繰り広げられるガンアクション!
車に乗るキノなんて初めて見た!
ぼかすか跳ね飛ばされていく羊は非常にシュールでしたが、リアルな描写にしたらえげつないことになるんだろうな、あれ……。

羊たちも怖かったけど、表情1つ変えず羊たちを倒していくキノもおっかなかった……。
いや、自分の命狙ってくるんだもんね。仕方ないね。


でも、何よりも恐ろしいのは、安易に彼らを放り出した国民たち。
自分たちの道楽のために羊たちを戦わせ、無理矢理凶暴さを植え付け、かと思いきや動物愛護を叫び出して草原に放り出し、その後は知らんぷり。その羊たちが旅人を襲っていることも知らず、自分たちはぬくぬくと城壁の中で暮らし続けている、と。
最後まで風刺キツいなあ……。

羊たちがあれほど執拗に人間を襲ったのは、植えつけられた凶暴さのためもあるでしょうが、自分たちにそんな仕打ちをした人間たちへの憎しみゆえでもあるのかな、と。


はたしてキノは、あの国の人々に、事実を伝えたのでしょうか。
事実を知ったら、あの国の人々は、何か手を打つのでしょうか。

いや、それよりも、そんな仕打ちをしておいて平然としているあの国では、今は何が流行っているのでしょう。
今度は何で愉しんでいるの?

旅の終わり

最終話らしく、最後はキノが「旅の終わり」について語る一幕が。

自分がここで旅を終えると言えば終わり。
そして、また始めると言えば始まり。

なんとなーく、続き(=2期?)があるかもと示唆するような話でしたね。

1期にこれだけの珠玉の話を集めて、これだけの構成でやってしまうと、2期のハードルはかなり上がってしまいそうだけど、でも他にも素晴らしい話はたくさんあるので、いつかまたキノの旅が見られることを願っています。

個人的には「城壁のない国」が見てみたいけれど……難しいかなあ。
あの衝撃のラストを映像で表現するとどうなるのか、見てみたいですが。

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