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【感想】大河ドラマ『麒麟がくる』第17話「長良川の対決」


麒麟がくる 前編 (1) (NHK大河ドラマ・ガイド)

2020年大河ドラマ『麒麟がくる』、全44話(予定)のうち17話を使って描かれた美濃編が、ついにクライマックスを迎えました! 道三様ーーー!!!(号泣)

一区切りということで、視聴直後の所感をまとめてみます。
(※後々追記更新するかも)

美濃編、その根幹を成す斎藤親子の軋轢は……結局のところ、父親に認められたかった息子と、息子に認められたかった父親の悲劇だったのかなあ、と。あとだいたい稲葉のせい?

人物別感想

斎藤高政

・道三の嫡男として生きてきたものの、どうも父親のやり方は好きになれないし、どうでもいいことばかり任される。いっぽうで土岐頼芸様は目をかけてくれるし、我が息子と思うているとまで言ってくれる。もしかして本当に自分は頼芸様の子なのかも?

・→両親は(特に母親は)頑として否定するけど、やっぱり納得いかない。道三は長年戦ってきた尾張と手を組むし、頼芸様を追放するし、一度会っただけの信長をべた褒めする。

・→母が死に、自分が家督を継いだ後も、信長からは何の便りも来ないし、妹や弟も自分を追い落とそうとするし、道三は孫四郎らを可愛がる。家督など後からどうとでもできてしまう、今のままでは危ないと稲葉も言う。孫四郎たちを殺してしまえ! あれらは弟ではない、自分は土岐頼芸様の子なんだ!

・→道三が激怒して戦を仕掛けてきた。戦力差からこちらの勝ちは明らかだし、自分が二番槍に出てさっさと終わらせよう。道三は殺さないでおいてやろう。と思っていたのに、道三の口車に激昂して殺してしまった。頼りにしていた十兵衛も自分を裏切った……

……結局のところ、すべては道三に認めてほしかったんだろうなあと。
道三から嫡男として認められている、そう彼が思えていれば、この悲劇は回避できたのかなあと思います。「そなたの父はわしじゃ」だけでなく、道三が信長に対して述べたような誉め言葉が、彼にも向けられていたなら……

なのに、彼に対して向けられた父の言葉は「おぞましき」「醜き」「愚か者」だったんですよね。自業自得の面もあるけれど、本当はそんな言葉望んでいなかったんだろうなあ。必死に涙を堪える様子が印象的でした。

物語の舞台が美濃から越前に移るけれど、彼のその後は少しは描かれるのでしょうか。なんかあっさりナレ死していそうな気もする……

斎藤道三

・高政のことは冷遇したつもりもないし、いずれは家督も譲る予定でいた。けれど、どうも上に立つ者として視野が狭いし、自分は本当は土岐頼芸様の息子じゃないのかとか言い出すし、まだ時期ではないと見送っていた。

・→そんな折、深芳野が急死してしまった。高政いわく、彼女は高政が家督を継ぐのを夢見ていたという。自分もいつしか老いぼれてしまったし、もはやこれまでと高政に家督を譲った。孫四郎らが不服を唱えていたようだが、十兵衛もいるし、問題ないと思っていた。

・→なのにあろうことか、高政は孫四郎と喜平次を殺した! のみならず、自らを土岐頼芸の子だと皆に言い知らしめ、皆を欺いている! 家督を譲ったのは間違いだった! 許さん!

・→兵の数からしても、勝ち目がないことはわかっていた。だが、ただ勝たせてやるつもりなどない。自分を殺させることで、生涯消えない「親殺し」の汚名を着せてやる。この「愚か者」め……

……ということだったのかなと。

高政が自分を父と認めず、「成り上がり者」「油売りの子」と罵るのを、道三は笑い飛ばしていたけれど……
最終局面での「……成り上がり者の、道三じゃ」には、心なしか、息子に父親と認めてもらえない男の一抹の寂しさが見えた気がしました。

血筋も家柄もない油売りの子が一国一城の主にまで登り詰めるのは、決して楽ではなかったろうし、ただ罵られるものではなかったと思うのですが……そこの視点が信長や光秀にはあって、高政にはなかったということなのでしょう。

自らの死をもって「親殺し」の汚名を着せる――それによって「斎藤高政の親は道三」だと周囲に知らしめる。おそらく初めからそれが狙いだったのですね。まさにマムシだ……

明智十兵衛光秀

・まさか道三と高政にそんなドロドロな事情があるとは夢にも思わず、いずれ高政が家督を継ぐものと疑っていなかった。実際高政が家督を継いだが、その後彼は弟の孫四郎らを殺し、それどころか、自分は道三ではなく土岐頼芸様の子だなどと言い出した。激怒した道三は高政に対して戦を仕掛けるという。

・→戦を止めるために奔走したが叶わず、逡巡の末に、道三側につくことを選択。長良川の戦いに馳せ参じるが間に合わず。最後に高政の真意を問い質すも、もはや相容れる余地はなく……

高政と完全に決別するシーンでは、ちょっと脳内で『あんなに一緒だったのに』(See-Saw)が流れました。領地替えの話さえなければ、もしかしたら高政側につく可能性もあったのかな……?

帰蝶

・尾張と同盟を結び、美濃をより豊かにするために、信長に嫁いだ。信長は「ようわからんお方」だけど、嫁いだからには命を預ける覚悟。

・→その後、高政が家督を継いだが、高政は同盟締結後も尾張のことを快く思わず、同盟が破られる恐れもある。裏から手を回して弟の孫四郎に家督を譲らせようとしたけれど、まさかの十兵衛が拒否。しかもそれを悟られて孫四郎が殺されてしまい、道三と高政が戦をすることに。

・→父はおそらく勝てないだろう、でもせめて命を永らえてもらおうと越前への逃亡をお膳立てしたのに、父は拒否。夫も加勢に行ってしまうし、皆愚か者じゃ!

……その「皆」には、自分も含まれているのかなあ。
伊呂波太夫を美濃に向かわせ、十兵衛の脱出を手助けさせるのには、かつて十兵衛に指摘された「自分が孫四郎をけしかけたことがこの事態の遠因になった」ということが関係しているのかも?

駒&菊丸

・駿河から美濃まで目下移動中。

お駒ちゃん本当に一般人? と思ったけど、昔伊呂波太夫の一座で旅していた経験があるからか。

どう見ても色々間に合わなさそうですが、十兵衛とは入れ違いになってしまうのでしょうか。予告で越前について菊丸が言及していたから、十兵衛たちが越前に逃れたことは知ることになるだろうけど。

駒は「越前まで行く!」って言いそうだけど、さすがに菊丸は駿河に戻りたいだろうしなあ。

……というか、駒ちゃん逃げだしちゃって、東庵先生大丈夫? 何て言って抜け出してきたんだろう?

稲葉良通

だいたいあなたのせいじゃね?
貴方が高政を煽りに煽りまくった結果がこのry

いや、彼は彼なりに美濃の、そして自分の領地を思ってのことだったのでしょうけれど。それにしても煽り方がえげつなry

新型コロナの影響で撮影休止→今後は?

とても楽しませてもらっている『麒麟がくる』ですが、新型コロナウイルスの影響で、4月から撮影が中止しているそうで。

放送期間を来年以降まで延ばすのか、内容を短縮するのか……

個人的には、年を跨いででも構わないので是非このままのクオリティで、予定通り放送してもらいたい……と思う一方、関係各所のスケジュールとか既に決まってしまっているのかなあと思うと、短縮もやむなしかと……

といっても、どこを短縮するのという感じですが。
信長の下に入ってからが本番だろうから、削るとしたら越前編? なのかなあ。

収録ストックが切れた際には、ぜひ1話からの再放送を……! なにとぞ……!

麒麟がくる 前編 (1) (NHK大河ドラマ・ガイド)

麒麟がくる 前編 (1) (NHK大河ドラマ・ガイド)