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【感想】映画「君の膵臓をたべたい」(ネタバレ)

地上波初放送とのことで初見(原作未読)。
……くっっっそ、完全に予想通りの展開だったのに泣かされた。・゚・(ノД`)・゚・。

※以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。

あらすじ

母校であり勤務先でもある高校の図書館の改築に伴い、蔵書整理を任されることになった高校教師・【僕】(小栗旬)。そこで、彼は12年前に出会ったかつての同級生・山内桜良(浜辺美波)の面影を視る。
彼女は、クラス一の人気者でありながら、周囲の誰にも打ち明けていない秘密を持っていた。それは、彼女が膵臓の病を患っており、余命幾ばくもないということだった。

12年前――ふとしたことで彼女のその秘密を知った【僕】(北村匠海)は、それをきっかけに彼女と関わり始めることになるのだが……。

感想

とにかく浜辺美波ちゃんが可愛かった

とにもかくにも、ヒロイン・桜良を演じる浜辺美波ちゃんの可愛らしさをめいっぱい堪能できる作品でした。桜良のキャラは個人的にイマイチ好きになれないところもあったけど、美波ちゃんが可愛いから許す的な。

【僕】のことを「仲良し君」だとクラスメイトたちの前で(しつこい元カレもいる中で!)公言してみせるわ、親に嘘ついてお泊り旅行に連れ出すわ、親不在の自宅に招くわ。自分がクラスの人気者であり、ある程度可愛いと自覚してるからこそできる芸当ですよね*1。そこが個人的には全然共感できなかったのだけれど(←ただの僻み)、美波ちゃんほど可愛い女子高生なら、そういうパーソナリティにもなるのでしょう。

『――本当は死ぬのがめちゃめちゃ怖いって言ったら、どうする?』

見た目とっても元気そうだったり、特に食事制限等もなさそう?だったりと、とてもあと1年で死ぬ子には見えなかったのだけれど、それは彼女の必死の演技だったってことかなあ。膵臓の病がそれだけ恐ろしいってことでもあるのかな……。

ストーリーは超・王道

ストーリー的には、まあ良くある王道ものというか、病に侵されながらも懸命に前を向いて生きる少女とそれに感化される少年の恋物語、最期に少女は死んでしまうけれど、その後見つかった少女からの手紙を読んで少年号泣っていう、ある種お約束な展開で。

まさか病死じゃなく通り魔に刺されて死ぬとは思わなかったけれど*2、結果的に彼女が死ぬという結果には違いなく、その直前のフラグも見事なまでに見え見えで(主人公があの長文打ち始めるあたりで、あのケーキ屋には来ないんだろうなーというのが丸分かりだったし)。
どう見てもお約束お涙頂戴パターンです本当にありがとうございました、と完全に読めていたのに、でもやっぱり主人公君や恭子のあの号泣と感動系BGMの合わせ技をされると、涙腺が緩んでしまうのでありました。

「残りわずかな余命を、彼女は全うできるものだと思い込んでた」
これはしてやられたなあ、彼女どころか読者の大半がそう思っていたことでしょう。
明日どうなるかなんて、だれにもわからない。
だから、今日この一日を、この一瞬を、大事にしなきゃいけない。
本当にそうだよなあと。。。

12年の時を経て、ついに【僕】が図書館で見つけた手紙。
桜良から恭子に宛てた遺書。
恭子は、桜良の死後12年経っても、病気のこと知らされてなかったのかな?

しかし、桜良も、何もこんな回りくどい、というかぶっちゃけ可能性低すぎる手使わなくても……。あの図書館の改築の話がなければ、【僕】がその学校に赴任していなければ、そして偶然その貸出カードが見つかっていなければ、その手紙は見つからなかったわけで。本当に恭子に伝えたかったのならンなことせずに親に遺書託しておけば良かったんじゃないかと小一時間(ry
いや、【僕】が恭子に渡すことに意味があったのかもだけど、それならそれで共病文庫と一緒に親から【僕】に渡してもらえば良かった話で(ry

恭子にしてみれば、本当に「なんでこんなタイミング……」ですよね。
せっかくのウェディングメイクが( ̄▽ ̄;)
感動は感動だけど、結婚式終わった後でも良くなかった?( ̄▽ ̄;)

ちなみに、公式サイトを見て初めて知ったのだけど、この現代パートというか「12年後」の話は、原作小説にはないそうで。へえー。じゃあこのエンディングも、【僕】が教師になるのも恭子がガムの子とくっつくのも映画オリジナルってことなんでしょうか。
何でガムの子と恭子が結婚に至ったんだろうという突っ込みは……野暮ですかそうですか。

そうそう、何気にあの「ガム要る?」の子は良い味出してましたよねえ。
それに対する【僕】の受け答えの仕方が徐々に変わっていくんですよね。
1回目は「要らない」(超そっけない)、
2回目は「要らない、でもありがとう」(受け取らないものの感謝を述べる)、
3回目は「ありがとう」(初めてガムを受け取る)。
【僕】にも変化があらわれていることがわかる良い演出でした。
自分も、誰かと仲良くなろうとする時にはガム持っていってみよう(←えええ)

君の膵臓をたべたい

「物語の結末を知ると、そのタイトルに涙する」と言われる、今作を代表する一文、「君の膵臓をたべたい」。
人に食べてもらうと、魂がその人の中で生き続ける。
だから、君の膵臓をたべたい(=君になりたい、君と共に生き続けたい)、ってことか。
それなんてヘルシンg(ry
というか桜良の膵臓は腐ってるって自分で(ry ←野暮すぎる

「――君にとって、生きるってどういうこと?」
「――だれかと心を通わせること、かな」

好きになるのでも嫌いになるのでも構わない。
自分以外の誰かが居て、その誰かと関わることで、生きていることの証明になる。

桜良があの夜本当に聞きたかったのは、「どうして名前を呼んでくれないのか」。
聞けなかったけれど、後になって気付いた。
【僕】は、失うと分かっている誰かを特別な誰かにしたくなかったのだと。

病にも負けず、人を愛し愛され、生きようとする桜良に憧れた【僕】と、
だれも巻き込まずひとりで戦い続けられる【僕】に憧れた桜良。
ふたりは最終的に、それぞれに、同じ想いを抱くのでした。
「君の膵臓をたべたい」、と。

それなんてヘルs(ry ←もうええわ

彼女との思い出に触れ、退職願を破いて教師生活を続けることにした【僕】。
桜良の言葉を受けて教師になったものの、本当にこれで良かったのかと思い悩んでいたのを、この一件で吹っ切ることができた、ということでしょうか。
いつか、彼が誰かを愛する日も来るのかな。

おわりに

そんな「君の膵臓をたべたい」、今年9月1日には劇場アニメ版も公開されるそうで。
ストーリーはほぼ同じながらも、実写版とはまた違う、アニメならではの演出で、作品が彩られることになるのでしょう。
実写版でストーリーを知っている人も、観に行ってみるのも一興かも?

kimisui.jp

kimisui-anime.com

君の膵臓をたべたい DVD通常版

君の膵臓をたべたい DVD通常版

*1:特にあの自宅招きからの襲われかけ事件は桜良ちゃんが悪いぞ、あれはガチのイケナイコトされてても文句言えなかったぞ

*2:通り魔注意の伏線は序盤に張られてて気付いてはいたけど完全に忘れてた。てっきりあのクラス委員長かと思いました。そういえばあの委員長あの後どうしたんだろ