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【感想】映画「帝一の國」(ネタバレ)

見てからだいぶ時間が経ってしまったんだけど、備忘録代わりに。
思ってた以上に面白い作品でした。

※以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。

あらすじ

政財界に強力なパイプを持ち、生徒会長になればその後の政界での活躍が確約されるとすら言われる超名門、海帝高校。そこに首席で入学した野心溢れる少年・赤場帝一(菅田将暉)は、未来の生徒会長の座を射止めるべく、まずはその地盤固めとして、2年生の生徒会長選を支えることでパイプを作ろうとする。会長候補として指名された2年生3名のうち、赤場は氷室ローランド(間宮祥太郎)の陣営に協力。持ち前の知性と戦術が功を奏し、氷室陣営は圧勝するかに思えたのだが……。

感想

若手俳優陣が勢揃いで送る、野心溢れる学生たちの物語。
テレビ点けたらやってたから何となく、程度で観始めたんですが、観ているうちに一気に引き込まれました。菅田将暉氏演じる主人公・帝一をはじめ、どのキャラも皆超個性豊かで、原作未読でも大変楽しめました。若手俳優陣がふんどし一丁で和太鼓叩くシーンとか大変眼福でした

氷室ローランド陣営が強すぎて、どうやってひっくり返すんだろうと思ってたら、帝一が離反してからローランド君が一気にヘタれたのがなんかちょっと(良い意味で)脱力。帝一の代わりに菊馬にブレーンを任せたのが完全に裏目に出ましたね。あのワイロばら撒きがなければ、森園陣営の猛追からも逃げ切って勝てたかもしれないのに。
その後、何気に森園生徒会長の横でサポートに回ってたのが意外でした。改心したのね氷室君……!


竹内涼真氏演じる大鷹弾くんは、本当に少年漫画の主人公というか、まっすぐな青年でした。あれは人気者になるのもわかるわー。
政治に興味ないとか言ってたのに、その翌年にまさかの生徒会長戦立候補してたのには「どういうこと?」と思いましたが、なんか心境の変化があったのかしら。いや彼の場合周囲から推薦されたのかな。意外とこの先政治家になるのか? でも、清濁併せ呑まないとやっていけない政治の世界は、彼には合わない気がするけど……?

それにしても、森園体制⇒大鷹体制って、もはや海帝のスタイルが完全に変わってしまいそうだけど、さすがに学園OBの方々とか黙ってないんじゃないか、大丈夫なんだろうか……と、いらない心配をしてしまったり。でもまあ、この正義の男なら主人公補正でどうにかしちゃうのかも。帝一くんが色々サポートしてくれるでしょうしね。


野村周平氏演じる東郷菊馬は……まあ……控えめに言ってクズでしたね……。いや、あれだけ帝一と比べられて無能扱いされ怒鳴られてばかりでは、あそこまで歪むのも仕方ないかもしれないけど。さわやか青年枠の野村周平氏がこんなキャラを演じるとは意外でしたが、終わってみればハマってたかも。
利用するつもりで利用され続ける菊馬の未来はどっちだ。

志尊淳氏演じる榊原光明は、本当に優秀な参謀というか補佐でした。彼の技術力と全面協力がなければ、帝一は早々に詰んでたわけで。帝一は光明すらも操り人形だと思っているのか、だとしても、光明くんは喜んで彼について行くんだろうなあ。

千葉雄大氏演じる森園先輩は、可愛いクール系の先輩(ほんっと可愛いですよね千葉氏……)。会長候補指名時の演説で弾くんを上手く引き込んだのが功を奏しましたね。弾くんが居なかったら、このエンディングにはとても辿り着けなかったでしょうしねえ。


そして、そんな弾くんへの借りを、まさにここぞという場面で返した帝一。野心を捨てて弾を支える側に回り、大好きなピアノを弾けるようになりました、めでたしめでたし……で終わるかと思いきや、そんなわけがなかった
ラストシーン、帝一の弾くいちばん好きな曲の題名が「マリオネット(=操り人形)」だということ、そして帝一が呟いた「君達のことだよ」に、思わず背筋がゾクッときました。結局全員帝一の手のひらの上だってこと? こっわ!

果たしてこの男が総理大臣になって良いのか? 帝一の國が実現された暁には、はたしてそこにはどんな国が出来上がっているのか……? そんな想像をかき立てられながら、物語は幕を閉じるのでした。
いやでもなんかやっぱり、帝一くんは自身がトップに立つよりも、弾くんみたいなのを御輿にして、参謀として裏から操るほうが性に合ってるような気が。

帝一の國 通常版DVD

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