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【感想】映画「名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)」

金曜ロードSHOW!枠にて放送された、劇場版名探偵コナン第20作。
超ド迫力の推理アクション映画でした。

※以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。

あらすじ

黒の組織の女構成員により、警察庁から世界中のスパイの情報(ノックリスト)が持ち出された。公安の安室透、FBIの赤井秀一から追われた彼女は、熾烈なカーチェイスの末に爆発事故に巻き込まれ、かろうじて逃走に成功するも、一切の記憶を失ってしまう。彷徨う内に辿り着いた水族館で、彼女はコナン達少年探偵団と出会い、行動を共にすることになる。

コナンと哀は、彼女の特徴的な容姿、そして時折見せる尋常でない身体能力等から、彼女が先の事件で行方をくらました黒の組織の構成員ではないかと考える。彼女の記憶が戻れば、彼女に懐いている少年探偵団のメンバーたちが命の危険に晒されてしまうかもしれない。そしてその懸念通り、公安、FBI、そして黒の組織がこぞって彼女を狙い、少年探偵団は最大の「悪夢」に巻き込まれていく……。

感想

いやー、これぞ劇場版ならではというべきか、テレビで見ても超ド迫力の2時間でした。冒頭からいきなりの安室VSキュラソーの肉弾戦、壮絶なカーチェイス、そして中盤~終盤の大観覧車決戦迷宮の十字路の比じゃない( ゚д゚)

テレビで見てこれなのですから、劇場で見たらさぞ凄かったのだろうと思います。20作目までで最大のヒット作になるのも頷ける。

キュラソー

世界中のスパイの情報を脳に刻んだ「生ける記録媒体」。ずば抜けた記憶力を持ち、わざわざ現物を持ち出さなくても、それを読んだ彼女自身が帰還できればOKという、超スパイ向けの特殊能力者。しかも身体能力も思いきり人間離れしているというチートキャラ。ぶっちゃけジンとか足元にも及ばなくね?

設定的に生き残られたら非常にまずいキャラだし、声を演じているのが天海祐希さんなだけに(スケジュール的な意味でも)再登場はないんだろうなあ、となると最後は死亡ENDなんだろうなあ……と思っていましたが、案の定。その最期はかなり凄惨なものでした。ぷちっとクレーン車ごと潰された描写、さらっと言われた「身元が判別できる状態ではない」という言葉が、なおさらその凄惨さを物語っています。えげつねえ……。

でも、彼女にとっては、あれがベストの選択だったのでしょう。色がないゆえに何色にも染まれるという彼女は、最後の最後に少年探偵団という純粋な色に染まった。組織に戻って悪事に手を染め続けるよりも、自分に親しく接してくれた子どもたちを守るためにその命を使った。

No.2ことラム様には「君にあるのは純黒の闇だけ」なんて言われてたけど、何色にでも染まれるって、それは純黒じゃなくて純白じゃないのかしら、と*1「純黒の悪夢」なんて題名の今作だけど、コナン達にしてみればまさに悪夢の出来事だったんですけど、彼女にしてみればこの数日間は、純白の存在が見た最後の楽しい夢だったのかなあ、と、そんなことを思いました。

「いつかまた、みんなで観覧車に乗ろう」。そう言って笑った姿が、探偵団の子どもたちが見た最後の彼女の姿であり、そしてその約束は、図らずもあの夜に果たされていたんですよね。彼女が彼らを守るために死んだことを、コナンも哀も、決して彼らには言わないのでしょう。うあー、キッツいなぁ……。

イルカのキーホルダー

本作のキーアイテムとなる、無色のイルカのキーホルダー。あれ、ぶっちゃけ絶対発信機だと疑ってましたすみませんでした(土下座)。あれを渡してきたスタッフは黒の組織の構成員だと思ってたし、医務室に現れた小五郎のおっちゃんも、ポアロの店員のお姉さんもベルモットの変装だと思ってた。ルパンの見すぎかしら。

「記憶じゃない。思い出だよ。……黒焦げになっちまったけどな」

ラストのコナンの台詞には、どういう意味が込められているんだろう。記憶はただのデータ、思い出はそれに感情が付与されたもの……かな。旅行中のあらゆる行程が記録されたUSBメモリと、旅行先で買ったおみやげのキーホルダーとではたぶん意味合いが違うよね。「子どもたちと行動を共にした」という単なる記録と、「楽しい時間を過ごした」という思い出は違うよね……。

哀ちゃん

蘭を押しのけての本作のメインヒロイン。まあ、黒の組織が絡む今作では彼女にスポットライトが当たりますよね。無理矢理蘭をメインに据えてこなかったところは拍手。

超切羽詰って「あの子たちまで消されてしまうのよ!」と声を荒げていたのには、ちょっと驚きました。昔はもっとクールというか冷めてるイメージがあったんだけど、時間と共に彼女もだいぶ絆された模様。
キュラソーの存在と、その最期は、彼女に大きく影響を与えそうですね。

全然関係ないんですけど、危地に飛び込もうとする主人公を引き止めるCV:林原めぐみさんという図式は、カウボーイビバップのフェイを思い出しました。どこ行くの。なんで行くの。的な(本当に関係ない)

ガンダム組

アムロ(安室、CV:古谷徹氏)、シャア(赤井、CV:池田秀一氏)に続いて、まさかカミーユ(風見、CV:飛田展男氏)まで出てくるとは思わなかったww。

キャラの台詞も「そのライフルは飾りですか!」だの「落ちろ!」だの「坊や」だの、ほんと、ガンダムネタ多すぎですwww。
安室と赤井が乗ってる車もきっかり白と赤だったしwww。

観覧車のてっぺんでアムロとシャアがいきなりどつきあい始めた時には思わず「( ゚д゚)」ってなりましたけれども。すごいけどなにかんがえてんすかあむろさん。二重スパイがそんな目立つことしていーんですか。

赤井さんは何かずっと「ここからでは無理か……」を連発してて、「どこからなら撃てるんだよ!」と思ってたんですが、最後の最後に見事決めてみせてくれました。さすがFBI!

ジン兄さん

黒の組織といえばこの人、お久しぶりですジンの兄貴。

コナンや哀にとっては名前を聞いただけでも凍りつく恐怖の存在……なんですが、個人的に彼はコナンと哀を始末するのにどれだけ時間かかってるんだよ的なお茶目なお兄さんで(←)、今作でもその優しさっぷりを充分に堪能させてもらいました。

白状するまで1分も猶予くれるとか超優しいし、間一髪で安室氏に爆弾解体されてスイッチを何回かカチカチやっちゃうところとか超可愛かったし、ウォッカとベルモットが忠言してくれるのに一切聞く耳持たないところも相変わらずでしたし。

リースリングさんを撃ち殺して去った時も、えっ死亡確認しなくて大丈夫?死んでないんじゃない?大事な局面で実は生きてましたーってなって計画に支障きたすんじゃない?とか思いましたすみませんごめんなさい許してくだs(ry

……いや、でも実際、それもこれもコナン側が勝つための都合で、兄さんがガチのマジで本気出したら、コナン側もほんとに何人か死人出るんでしょうけどね。
いつの日か、黒の組織との最終決戦の時は来るんでしょうか。

その他印象に残ったポイント

  • 走りスマホとか本当にだめ、ぜったい
  • メールじゃなくて普通にインカムで喋られてたら詰んでたよね
  • 承諾も得ずにいきなり人の写真撮っちゃだめだよコナン君!
  • 黒の組織関連のヤバイ話題をスピーカーモードで聞くな博士ーー!
  • 黒の組織関係者のスマホを復元するとか消されるぞ博士ーー!!
  • 警察にも財閥にもコネが効く小学1年生( ゚д゚)
  • 蘭、無事コナンから新一の連絡先を聞き出してた模様
  • あのダブル観覧車、もう片方ふつうに営業してたんじゃ……?((((;゚Д゚))))
  • 何でそんなでかくなるんだよそのボールwwww
  • ↑麻酔銃からして博士の発明品は悪用すれば充分殺傷力あ(ry

おわりに

冒頭にも書きましたが、これぞ劇場版、超ド迫力アクションを堪能できた2時間でした。テレビ版では放送時間内に収めるためにいろいろカットされたシーンもあるのでしょうが、いつかノーカット版も見てみたいところ。ていうか劇場に観に行けば良かった(´・ω・`)

そんな名探偵コナンの劇場版最新作「から紅の恋歌」は、2017年4月15日(土)から全国公開。ご興味があれば、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

www.conan-movie.jp

*1:それとも、ラム様のあの台詞は、彼女の心が既に純黒という意味じゃなくて、彼女が生きられるのは純黒の闇の世界の中でしかない、という意味だったのかしら。