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【感想】しくじり先生の「マルクス偉人伝」を見て

テレビ朝日で好評放送中の「しくじり先生」。その番組内のコーナーの1つである、オリエンタルラジオの中田敦彦さんが世界の偉人たちの「しくじり」を解説する企画「しくじり偉人伝」。

2016年5月2日(月)に放送された回では、かの有名な経済学者カール・マルクスを取り上げ、「人類に夢を見せるだけ見せて大パニックを起こしちゃった先生」として解説をしていました。

相変わらずあっちゃんの教え方の上手さに脱帽しつつ、ほかにも思うところあったので感想など書いてみます。

カール・マルクスについて

正直全く詳しくないので、詳細はWikipedia先生にお任せするとして……。
カール・マルクス - Wikipedia

番組で説明された内容をざっくり要約すると、裕福な家に生まれ大学を卒業し、後に「聖書の次に読まれた」と言われるほどの名著「資本論」を著し、世界経済に多大な影響を与えた経済学者。

彼の死後、資本論に影響を受けた人々により生まれたのが、当時世界最大の面積を誇ったソビエト連邦。「世界中から格差をなくす」という理想のもとに作られたその国は、しかしやがて崩壊の道を辿ることになります。

資本論には、格差社会が終わることが書かれていた。けれど、格差社会を終わらせた「その後」のことは書かれていなかった。「その後」を書かずに死に、「人類に夢を見せるだけ見せて大パニックを起こした」。それこそがマルクスのしくじりだった――というのが、しくじり偉人伝の概要でした。

あっちゃんの教え方は本当に素敵

つくづく思うけどオリラジ中田氏、通称あっちゃんの教え方のすごさには本当に感服します。台本を書いているのは違う人なのかもしれませんが(台本すらもあっちゃんが考えているとしたら凄すぎる)、表情・身振りを交えた話術でグイグイ引き込むのが本当に上手い。こんな先生がいたら生徒たちも自ら興味を持って授業に臨みそう。

特に、偉人の「人となり」に注目するのはすごく良いことだなあと思いました。

教科書では「マルクスが資本論を書いた」の一文だけで済まされてしまって、受験勉強でもそれをそのまま丸暗記して、やがて忘れた人が(自分含め)少なくないと思うのですが、あっちゃんの教え方はそうじゃない。

その人がどんな生まれで、どんな環境で育ってどんな性格で、どういう人間と接してどんなふうに生きたかを最初に説明してくる。マルクスの場合は、お金持ちの家に生まれて高学歴だったのに、働かないで超浪費家で友人にたかりまくる「ダメ男」。ここまで聞くと、「ええっ、マルクスそんなやつだったの!?」ってなります。

でも、そんな「ダメ男」が書いた本が、世界中で聖書の次に読まれ、しかもその本に触発された人々が、世界最大の広さを持つ「国」を作った――。こんな導入の仕方をされたら、小中高生も大人でさえも一気に引き込まれてしまいます。

資本論に影響を受けた人々が、格差社会をなくそうと「ソ連」という国を作った。さあ、今からこのクラスがその上層部です、皆平等にするためにはどうすれば良い? 何か案はない? と、生徒たちに意見を求め、うまく誘導し、「それをソ連もやったんだよ」とつなげていく手法もお見事。ああ、こんな授業受けたかった。

でも、それソ連の上層部の「しくじり」だよね

ソ連崩壊に至る解説の内容については(詳しい方からすれば異論もあるのでしょうが)すごく分かりやすくて素晴らしかった、のですが、一言だけ言うとすれば、それ、マルクスのしくじりじゃないよね、ってこと。

格差社会をなくした後どうすれば良いのかを書かずに死んだことがマルクスのしくじりだというけど、それこそ、彼がヒモでニートだったこと以上に「それ、マルクスのしくじり?」と言わざるをえません。ソ連が崩壊に至ったのはソ連の上層部のしくじりであって、マルクスは関係ないでしょう。彼は自分の死後、そんな国ができることすら知らなかったのに。

それだけが妙にひっかかったというか、残念なポイントでした。

人間は皆平等にはなりえないのか

「全ての人間は少し弱くて、少しずるい」。画一的に生産される機械ではないのだから、何もかも平等の条件にしたとしても、やがてはどこかで差が生まれ、拡大し、崩壊に至る。では、格差は決してなくならないのか。靴を履けない子どもは救えないのか。

みんなで考えた最良のはずの案はうまくいかなかった。じゃあどうすれば良いんだろう。他にどんな案がある? マルクスはもういない。資本論の続きはない。でも誰かが、誰もがそれを考えないといけない。

「世界は必ずしも皆平等とは限らない」という「PERFECT HUMAN」こと中田あっちゃんが「平等になれる道を探そうよ!」というあたり、何かしら意図を感じるような気がしないでもないですが(←)、非常に興味深い授業でした。

……それにしても、これだけ話術に長けてるあっちゃん。もしも将来選挙に立候補しようものなら、当選しちゃうんじゃなかろうかと思うのはわたしだけでしょうか。
「お前がいちばんの独裁者だよ!」という若林先生の言葉が、現実にならなければ良いけれど( ̄▽ ̄;)

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