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【感想】ドラマ「フラジャイル」第10話(最終話)


フラジャイル DVD-BOX

『皆さん、臨床医の道具を守るためには、治療が必要です。』

病理医の活躍を描いたドラマ最終回。
病理という世界を初めて知った、とても興味深い作品でした。

あらすじ

アミノ製薬・火箱直美が強く推す期待の新薬、AM105。その治験に、宮崎の幼なじみ、松田が志願する。だが、AM105にはいくつもの不審な点、そして火箱にすら知らされていない重大な副作用があった。宮崎と火箱は治験を中止しようとするが、松田は聞き入れず……。

火箱さんについて

肺がんで亡くなったお兄さんの死を引きずり続けて、気がついたら薬学部に入り、製薬会社に籍を置いていた火箱さん。彼女にとってAM105はまさに夢の薬で、世に出れば多くの人を救えると本当に信じていて、患者に劇的な効果が見られた時は本当に本当に嬉しかったのでしょう。

それだけに、その患者が退院の2日後に亡くなっていたことを知ってからの彼女は、痛々しいの一言に尽きました。「あんたがダメになったらAM105までダメになるんだよ」は言っちゃいけない台詞でしたが、気持ちは分からなくはない。松井玲奈さんの演技もお見事。

(何もそんなずぶ濡れの状態で病理診断科来なくても、とは思ったけども)

間瀬について

中熊教授、ラスボス候補かとか言っちゃってすみませんでした(´・ω・`)

黒幕は、髙嶋政宏さん演じるアミノ製薬部長の間瀬。
これがもう、今までの回のどの悪役よりも悪。ドがつくほどの最低男。

人命に関わる薬の話で部下が直訴してきてるのに、その目の前でスマホゲームしながら「バレなきゃ良いんだよ、お前の給料どこから出てると思ってるんだ、納得できないなら辞めろ」なんていうような上司の下で誰が働くかバーk(自粛)

松田さんについて

最悪死に至る副作用が出ると分かっていても、治験の続行を望んだ松田さん。自分の命が助かるにはAM105に賭けるしかないという思いもあっただろうけど、それ以上に、火箱さんの役に立ちたいという思いがあったんだろうなあ。自分に出ている副作用という「貴重なデータ」を提供することで。AM105がなければ出会えなかった彼女のために。

彼は副作用の果てに命を落としてしまったけれど、そしてその瞬間のシーンはなかったけれど、彼はその結果を後悔せず受け入れて旅立てたのかなと思います。

ただ、残された人々は、特にこの治験を承諾した岸先生は、この結果が許せるはずもないわけで……。

大暴露大会 in 臨床症例会

岸先生が取ったのは、臨床症例会でのAM105の危険性、そしてそれをもみ消そうとしたアミノ製薬の名指しでの告発。

「はっきり言いましょう。これは製薬メーカーによる、犯罪的行為です」

……中熊教授の講演を目当てに、名だたる病院の関係者が来ていただろうホールでの、超ド級の爆弾投下。こんなことをこんな場所で言われてしまったら、改ざんのしようもありません。

真偽を確かめるための第三者による調査が行われるだろうし、結果がどうあれアミノ製薬の薬はもう使わないという病院も出てくるだろうし、アミノの株は大暴落、間瀬さんの首も吹っ飛ぶでしょう。

臨床医の道具を守るための治療。
それは、癌となっているアミノ製薬の「切除」
怖!岸先生怖!

こんなことをすればAM105にもトドメの一撃となるだろうに、それを受け入れた火箱さんの覚悟が見えた一幕でもありました。
アミノを辞めて、今度はもっとまともな製薬会社で、今度こそ最高の薬を作ってほしいな。

森井くんについて

病理を辞めて別の病院に移っても、なんだかんだで岸先生の頼み事は聞いてしまうあたり、苦労人なのは相変わらずだった森井くん。

「森井君はさ、どんな医者になりたいの」

岸先生のその言葉と、移った先で医師に言われた「せいぜい80%」、そして臨床症例会での一幕を受けて、自分の本当の夢は「医者になること」じゃなく「人の命を救うこと」だったと考え直し、「100%の仕事ができる」病理に戻ることに。

「戻ってきてくれないかな」という岸先生のぶっきらぼうなお願いの仕方がまた素敵でした。
ホントこの信頼関係良いなあ……。

君が医者でいる限り、僕の言葉は絶対だ!

森井くんも無事戻ってきて、再始動した病理診断科。岸先生も臨床医の方々も相変わらずのようで、今日も電話越しにあの決め台詞が響き渡るのでした。

もし続編があるのなら、また見てみたい作品。
原作も読んでみたいな。