『お金のあるなしで人生は決まる。――それが現実だ。』
あらすじ
癌のために余命1年と宣告された男性、小早川洋行。彼は延命治療を望まず、緩和ケア科へ入ることを承諾していた。ひょんなことから彼と知り合った臨床検査技師・森井は、彼と話すうち、互いに夢があったが経済的な事情で諦めざるをえなかったことを打ち明けあい、親しくなる。
小早川の病状は、オクトレオチドという抗がん剤を使えば、わずかに回復の可能性があった。しかし、継続的な投与を行うには年間100万以上の費用がかかる。そんなお金はないと諦める小早川に対し、森井は諦められず、借金をしてでも試せと、感情的にオクトレオチドの使用を訴えるが……。
印象に残ったポイント
- 医療系雑誌に隠して「魂の一杯」w
- 「どうしたお前医者みたいだぞ!」「医者です!」
- 白衣を着てても医者じゃない人も、その逆もいる
- 金がないなら闇金でも何でもいけよΣ( ̄□ ̄;)
- カンファで岸先生に退室されて慌てるざっきー( ̄▽ ̄;)
- 岸先生が「直接」患者と対面したのは初めて?
- あの気さくな笑顔が「臨床医」の岸先生の顔なんだろうなあ
- 心臓は動いてる。目も見えてる。今、生きてる
- 関ジャニ∞・安田章大さんの熱演が素晴らしい
- 緩和医療の仕事は「死ぬまでちゃんと『生かす』」こと
- 君がうちにいる限り、僕の言葉は絶対だ
やったこと。
①、一曲だけ、曲を書いた。
②、たった一人だけど、友達ができた。
③、
――ひとりの命を、救った。
森井くんの過去
本当は医者を志していたけど、家業が傾いて学費が払えなくなり、3年生で自主退学。医療専門学校を出て、臨床検査技師になったという過去が明らかになった彼。臨床検査技師になったのは不本意な選択の結果で、「3年目のあの時に500万あったら、違う道を歩いていたかもしれない」。
経済的な事情で夢を諦めなければならなかった過去があるからこそ、経済的な事情で命すら諦めなければならない小早川氏をそのままにしてはおけなかったのでしょう。いつもの冷静な彼からは想像もつかない感情的な姿が印象的でした。
「夢」を叶えるのは今からでも遅くない
音大に入って作曲をするのが夢だったという小早川氏。音大に入ることは叶わなかったけれど、曲を作ることは病室の中でもできた。「疾走」と名付けられたその曲は、コンクールの課題曲にはならなかったけれど、ざっきーこと宮崎さんの手によって病院内で演奏された。「知らない人が僕の曲を演奏する」という彼の夢は、ついに叶ったのでした。
そして、医者になるのが夢だったという森井くん。医学部を出ることは叶わなかったけれど、臨床検査技師として岸先生たち医師の役に立つことはできている。今からだってきっと医者になることはできるけど、それをしないのは、「今の仕事が気に入っているから」? 思わず涙した彼の本当の「夢」は、もしかしたらもう叶っていたのかもしれません。
さて、わたしの「夢」は何だっただろう。
人生があと1年しかないとしたら、あなたは何をやりたいですか?